賃貸の契約期間とは？利用者が期間を決めることはできないの？

2022-05-12 契約に関すること

賃貸物件を借りるときには、賃貸借契約で賃貸の契約期間を決めます。
この賃貸の契約期間は、大体、2年契約とされます。

しかし、なぜ契約の期間が2年契約なのでしょうか？
大家さんである賃貸人が決めているのでしょうか？それとも不動産仲介業者が決めているのでしょうか？

厳密に言えば、答えはどちらもNOです。

賃貸人も不動産仲介業者も、「ある理由」があるため2年に設定するのが良いだろうという意思をもって決めています。
いわば、「ある理由」に左右されているということです。

■ ここででは、賃貸借契約はなぜ2年契約が多いのか、契約の自動更新、賃貸借期間中の途中解約はできるのかどうかなどを解説いたします。

2年契約が多い理由

賃貸人と不動産仲介業者は「ある理由」に左右されて2年という期間を決めています。

この、ある理由とは、借地借家法という法律があるためです。
借地借家法の規定では、普通借家契約で契約期間を1年未満に設定してしまうと、契約期間を決めてない契約に変更されてしまいます。

期間の定めがない賃貸借契約になってしまうと、解約に関する決め事がしにくくなり賃貸管理が大変になってしまうからです。

1年未満で住宅を貸したい場合は、「普通」借家契約ではなく「定期」借家契約となる場合が多くなります。
定期借家契約とは、賃貸期間を決めておき、決めた賃貸期間が経過した場合、賃貸借契約の更新ができず退去するという契約です。

定期借家契約は更新ができず、続けて借りるには再契約をすることになります。

自動更新とは？

自動更新とは、借地借家法の定めに基づいて自動的に賃貸借の契約期間が更新されることを言います。

普通借家契約は、原則、賃貸借期間が切れる一定期間前までに、賃借人が契約を更新しないことを相手方に伝えなければ自動的に更新されていきます。
これを法定更新とも言います。

仮に賃貸人や管理会社から更新の通知書が来ないとしても、法律で自動更新を認めていますので自動的に更新されます。

なお、更新のため更新前の賃貸契約条件と更新後の契約条件は同じまま引き継ぐこととなります。
しかし、あくまでこれは賃貸物件が法律的に自動更新となる話の場合です。

そのため、火災保険・地震保険の更新や賃料保証会社の保証などの更新は、手動更新を忘れないように注意しましょう。

契約期間満了前の途中解約はできるの？

期間満了前に途中解約ができるかは、賃貸人と賃借人では内容が変わるため別々に解説します。

1.賃貸人が賃貸借契約期間中に途中解約を行う場合

賃貸人が借家の賃貸契約の途中解約を行うことは非常に難しいと考えてください。

解約予告は6ヶ月前に行えばよいとされていますが、問題は賃貸人から借家の契約を途中解約する場合には、正当な事由が必要とされていることです。

この正当な事由とは、建物が老朽化したから建物を建て替えたい、介護が必要な親族がいるため借家を取り壊し自宅建築をしたいなどの事情です。
この正当な事由があった上で、立ち退き料を支払えば賃貸人からの途中解約することができる可能性が出てきます。

良く聞く立ち退き問題というものです。
立ち退き料を多く支払えば、絶対に退去させることができるわけでもありません。

なお、借家ではない駐車場などの途中解約の場合は、正当な事由や立ち退き料を支払うことなく賃貸契約を解除することができます。

あくまで、賃貸借契約が解除しづらいのは借地借家法の適用を受ける借家だけです。

2.賃借人が賃貸借契約期間中に途中解約を行う場合

賃借人が途中解約する場合は、賃貸借契約で取り決めた退去前の何ヶ月前に告知することという条項を守れば退去することが可能です。

賃貸借契約書に、退去予告期間は何ヶ月前という記載がありますので、確認をして賃貸人もしくは管理会社、不動産仲介業者に連絡しましょう。

もし、賃貸契約を即解除したい場合は、賃貸借契約書に即時解約の違約金支払いという項目があるのか確認してください。
即時解約の違約金支払い項目があり、違約金が明確に記載されていれば、記載金額を支払うことにより賃貸契約の即時解約が認められます。

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賃貸契約の更新には、更新手続きが面倒であったり、更新の手続きをするために費用が必要であったりします。
その他、更新手数料や火災保険料が必要になることもあります。

更新手数料とは、更新作業に伴う事務手数料のことで、賃貸人ではなく、管理会社に支払うものです。
さらに、連帯保証人が見つからない・契約で必要とされたなどで、家賃保証会社を利用している場合は、家賃保証契約の保証料も更新時に必要なケースもあります。

更新は、このような煩雑な手続きや、多くの費用が発生し非常に手間がかかります。

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